投資向上委員会

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S&P株価指数 ブル・ベア相場の歴史 1871年~2017年

はじめに

 株式市場の状態は、しばしばブル相場やベア相場と呼ばれ、投資家の意思決定や経済分析に重要な影響を与えます。そのため、ブル相場とベア相場の相場サイクルは、投資家から大きな関心を集めています。

 ブル相場は通常、経済指標や企業の収益の改善によって、投資家の株式の評価に良い影響を与えます。その結果、投資家は市場に資金を投入し株価を上昇させます。一方、ベア相場は通常、景気の低迷や企業の収益の低下によって、投資家の株式の評価に悪い影響を与えます。その結果、投資家は債権や現金および現金同等物などに移行し株価を低下させます。

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よく分かるスマートベータ

はじめに

 近年スマートベータと呼ばれるファクターへの投資が注目を集めています。2014年4月にGPIF (年金積立金管理運用独立行政法人) が、国内株式のアクティブ運用でスマートベータを採用し話題を呼びました。*1 また、スマートベータ型のETFが数多く開発されるなど、個人投資家にも身近になってきています。

*1:「GPIF:国内株運用に日経400、スマートベータ採用-J-REITも」『Bloomberg』2014年 04月 07日 08:03 JST、最終閲覧日:2017年 05月 14日、URL: https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2014-04-06/N3M3MI6K50XS01

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図表で見るS&P株価指数 1871年~2017年

はじめに

 ロンドン証券取引所は1801年に設立されました。しかし、イギリスでは泡沫会社禁止法によって、承認を得ていない会社が株式を発行することは禁止されていました。*1 ゆえに、企業は同法が存続した1825年まで、株式を発行することができませんでした。したがって、極めて限られた取引となりました。これによって、ロンドン証券取引所は真のグローバルな超大国を阻止することができませんでした。そのため、1790年にアメリカで最初の取引所である、フィラデルフィア証券取引所が創設されたことは歴史上重要な瞬間になりました。その後、1817年にニューヨーク証券取引所が設立されました。それ以来、世界の株式市場でのアメリカのシェアは0%から、1899年末には15%に上昇し、イギリスに次ぐ世界第2位の市場となりました。(図表1)

 そして、現在のアメリカの株式市場は世界でもっとも大きく、世界の時価総額の約半分を占めています。(図表2) 次に大きい市場である日本の約6倍の規模です。したがって、アメリカの株式市場は世界でもっとも重要な株式市場であり、その歴史を再検討することは意義のあることでしょう。また、当ブログは2013年にノーベル経済学賞を受賞した、ロバート・シラー教授の提供するデータを使用しています。*2

*1:「泡沫会社禁止法」『kotobank 株式会社朝日新聞社』2017年 05月 16日 15:00 JST、最終閲覧日:2017年 05月 16日、URL: https://kotobank.jp/

*2:「ONLINE DATA ROBERT SHILLER」『イェール大学』、最終閲覧日:2017年 04月 21日、URL: http://www.econ.yale.edu/~shiller/data.htm

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